ハングルの読み書きに慣れてきた頃、多くの学習者が「むずかしい!」と感じるのが「パッチム(받침)」です。

「書いてある文字と発音が違う?」「どうやって読めばいいの?」そんな疑問が次々と湧いてきますよね。でも大丈夫!パッチムにははっきりとしたルールがあり、それを理解すれば一気に韓国語のネイティブっぽさがアップします。

今回は、韓国語の発音をマスターする上で欠かせないパッチムの基本ルールを、わかりやすく解説していきます。

パッチムの正体とは?

パッチムとは、ハングルの音節(1文字)において、子音+母音の下に置かれる最後の子音のことです。「支える」という意味の言葉で、その名の通り文字を支える土台のように見えます。

例えば、「안녕(アンニョン)」という文字を見てみましょう。

この2つがパッチムです。日本語にはない概念なので少し戸惑うかもしれませんが、「母音で終わらない音」と考えるとイメージしやすいかもしれません。

最重要!パッチムの「7つの代表音」

パッチムに使われる子音はたくさんありますが、実際に発音される音は、なんとたったの7種類しかありません!

つまり、どのパッチムが来ても、最終的にはこの7つの代表的な音のどれかになって発音されるのです。これさえ覚えてしまえば、パッチムの基本はマスターしたも同然です!

代表音 この音になるパッチムの文字 発音のコツ
[ㄱ] k ㄱ, ㅋ, ㄲ 舌の根元を上あごにつけて息を止める。「クッ」の「ッ」のイメージ。
[ㄴ] n 舌先を上の歯茎につけて「ン」。日本語の「ん」と同じ。
[ㄷ] t ㄷ, ㅌ, ㅅ, ㅆ, ㅈ, ㅊ, ㅎ 舌先を上の歯茎につけて息を止める。「トゥ」と言いかけるイメージ。
[ㄹ] l 舌先を上の歯茎につけたまま「ル」。英語の "L" に近い。
[ㅁ] m 口を閉じて「ム」。日本語の「ん」と同じ。
[ㅂ] p ㅂ, ㅍ 唇を閉じて息を止める。「プッ」の「ッ」のイメージ。
[ㅇ] ng 口を開けたまま、舌の根元で喉の奥をふさぐように「ン」。

【例】たくさんの文字が[ㄷ]の音になる!

7つの代表音の中でも、特に「ㄷ, ㅌ, ㅅ, ㅆ, ㅈ, ㅊ, ㅎ」は、パッチムになるとすべて[ㄷ]の音(舌先を歯茎につけて止める音)に変わります。

このように、文字の見た目に惑わされず、「どの代表音グループに属するか」を意識するのが最大のポイントです。

ステップアップ:連音化(リエゾン)

パッチムの次に母音で始まる文字が来ると、パッチムの音がその母音に移って発音される現象があります。これを連音化(リエゾン)と呼びます。

例:한국어 (韓国語)

「국」のパッチム「ㄱ」が、次の「어」とくっついて、「한구거 [ハングゴ]」のように発音されます。

最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れてくるとむしろスムーズに発音しやすくなります。まずは「こんなルールもあるんだな」と頭の片隅に置いておきましょう。

パッチムの発音、奥が深いですよね。
ネイティブ講師と一緒に練習すれば、正しい音がすぐに身につきます!

ぜひ無料体験レッスンへ!